この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
相談者は、都内城西地区に賃貸マンションを親族と共有しておりました(ただし、敷地は相談者が単独所有)。しかしながら、相共有者である親族は海外に長期居住しており、なかなか日本に帰国することもなく、また固定資産税などのマンションの維持費用なども全然負担しようとしませんでした。そこで、相談者としては、相共有者に対して、共有持分に対応する金銭を支払って、共有持分を譲渡してほしいという相談がありました。
解決への流れ
共有物の分割については、民法256条1項において、「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。共有物の分割について共有者間に協議が整わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」、同2項で、「前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、または分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。」と規定しています。本事案については、マンションですので建物自体”現物分割”は困難であり、相談者としては、親族である相共有者とは共有関係を解消して、相談者の単独所有としたいという強い希望があったため、東京地裁に、代償分割による共有物分割訴訟を提起しました。相共有者の海外の居留先に連絡を入れても連絡もないので、東京地裁に、「共有物分割の訴え」を提起しました。裁判所から、相共有者である被告に訴状を外交官ルートで送達手配を進めていたところ、被告が死亡したという連絡が海外居留先かありました。被告の相続人たちは、当該マンションの建物共有持分については所有権放棄するという書面をもらうこととなり、本件訴訟については取り下げをするということで終了しました。
本事案については、マンションですので建物自体”現物分割”は困難であり、相談者としては、親族である相共有者とは共有関係を解消して、相談者の単独所有としたいという強い希望があったため、東京地裁に、代償分割による共有物分割訴訟を提起しました。代償分割というのは、“全面的価格賠償”とも言い、共有物を現実に分割したり、競売にて売得金を分割するというものではなく、相手方共有者の持分を金銭的評価をして、持分の移転の代償として、金銭を支払うというものです。代償分割も本例にて認められるものですが、裁判所としては、分割の必要性、共有者間の公平性、価格の妥当性などを総合的に判断して認められるものであることに注意が必要です。