この事例の依頼主
80代以上 男性
相談前の状況
遺留分減殺調停を申し立てられた方からの相談です。申立人に対しては遺留分相当額以上の生前贈与があるとのことで、ご相談者様は1円も支払いたくないと述べておりました。ただ、生前贈与については既に10年以上前のものであり、被相続人から申立人に送金されていることはハッキリと記憶していたものの、どの金融機の何支店かという点は、必ずしも特定できていないという事案でした。
解決への流れ
申立人に想定される支店の口座の開示を求めたものの申立人は開示を拒否しました。金融機関に文書送付嘱託、文書提出命令等の手続を取ることはできるものの、万一、手続を取った上で想定する生前贈与が通帳に出てこなかった場合のリスクを考えて、生前贈与については間接的な証拠で立証していきました。当方の主張する生前贈与が認められれば遺留分相当額を超える金額となるため、申立人に支払う金額はゼロとなりますが、逆に、生前贈与が認められなければ申立人の請求どおりの金額を支払わなければならなくなります。調停委員からの強い説得もあり、最終的には、遺留分相当額の半額で調停成立となりました。
金融機関や支店がハッキリとわかっていれば、文書提出命令をしてでも証拠を得て、徹底的に争うという方法もありました。しかし、開示を受けた通帳に生前贈与の記載がないと、結果的に遺留分相当額を全額支払わなければなりません。ゼロか百かではなく、中間で納得していただいたという事案です。判断に迷う事案ではありましたが、ゼロのリスクは回避して解決をすることができました。