この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
会社を辞めることになり,これまでの残業代を請求したいが,タイムカードや出勤簿などがない会社で,労働時間の証明ができないから,残業代請求は諦めたほうがいいでしょうかという相談でした。
解決への流れ
丁寧に聞取りをすると,仕事の途中,仕事のメモなどを頻繁に写真に収めていることがわかりました。そこで,携帯電話に残された写真をプロパティ等を確認して撮影日時を特定し,少なくとも撮影したときは仕事をしていたというように,労働時間を立証しました。数百枚にも及ぶ写真を証拠として提出した結果,残業の事実があると認められ,残業代の支払いを受けることに成功しました。
残業代を請求するときは,タイムカードなどを証拠とすることが多く,そのような証拠がないと残業代請求はできないと諦めてしまう方は,少なからずいると思われます。しかし,仕事をしていたのであれば,何らかの形跡が残されているはずです。この例では,メモの写真等がその形跡でした。そのような形跡を,丁寧な聞取りをすることにより発見し,一つ一つの証拠を根気強く分析して,立証活動を行うことにより,労働時間の立証ができます。この例は,正にその作業が成功した例です。タイムカードなどが無いからと言って諦めず,まずは専門家にご相談されることが肝要です。