この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
相談者は、運送会社の代表取締役を務めており、会社の借金についても連帯保証していました。しかし、ガソリン代や高速代の値上げが大きかったにもかかわらず、これを運送代に反映させることが出来ずに、経営状態は一気に悪化し、破産せざるを得ない状況にまで追い込まれました。もっとも、家族との思い出の詰まった自宅だけは何とか残したいという想いが強く、個人としては、再生手続きを取ることにしました。
解決への流れ
まずは、速やかに法人の破産申立てを行いました。個人の再生手続きについては、相談者が法人のほとんど債務について連帯保証人になっていたこともあり、再生手続きを取ったとしてもかなり高額の返済になることが見込まれ、履行可能性(再生計画に基づいて返済していくことができるか) に不安がありました。そこで、詳細な家計簿をつけ続けてもらい、頻繁に打合せを繰り返しながら、生活費を可能な限り削っていってもらい、何とか月々の返済額を貯めることが出来る状況にまでなりました。そして、毎月返済に必要な金額を弁護士預けてもらい、裁判所に履行可能性があることを納得してもらい、無事再生計画案を認可してもらうことが出来ました。
負債額がかなり大きく、裁判所からも何度も破産手続きに切り替えるべきではないのかという説得をされましたが、相談者の自宅を残したいという希望をかなえるため、相談者のご家族にも協力をしてもらいながら、何度も何度も家計を見直し、何とか再生計画案を認可してもらうことができました。どのような状況でも粘り強く検討を行うことで、一見無理だと思える希望が叶えられる場合があることを学んだ事例でした。