この事例の依頼主
女性
相談前の状況
自ら退職した従業員から、後になって、会社からパワハラを受けて会社にいられなくなって退社したのだからという理由で、給与1年分相当を損害賠償請求された事案です。会社としては、パワハラに全く心当たりがなかったため困惑し、どのように対応すればよいのか分からず悩まれていた事案です。
解決への流れ
退職従業員と会社の面談の録音、メール、他の従業員とのLINEのやり取りを全て精査し、パワハラに該当しないことにつき確証が得られたため、当該従業員に対し、証拠を示した上で請求には一切応じない旨を連絡。その後労働局のあっせんに発展したものの、あっせん手続においても一切金銭提示せず。当該従業員は、最後は給与1年分ではなく、1か月分の支払にまで条件を引き下げてきたものの、金銭請求には最後まで応じなかったところ、退職従業員は請求を断念しました。
今日の労働者有利な法解釈、裁判実務下では、労働者にハラスメントを主張されてしまうと会社は弱気になってしまうことも多いのですが、本件のように証拠を全て精査した上でハラスメントに該当しない可能性が高いと判断できる場合には、会社は従業員に対し毅然とした対応を示すことが重要です。特に退職した従業員は、安易に金銭請求が認められると考えていたり、会社を退職し時間に余裕のあるケースが多く、軽い気持ちで金銭請求をしてくる事例も目立ちますので、会社として毅然とした戦う姿勢を見せて、安易な請求を許さないようにする必要性が高いためです。