この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
相談内容配偶者に不貞され子供を連れて出ていかれた。離婚の請求をされているが、こちらからも不貞相手対して慰謝料請求がしたい。極力多い金額を獲得したいが何とかならないか。探偵をつけたので、不貞の証拠はある。
解決への流れ
受任後、不貞相手に支払いを求める交渉を行うも、不貞行為自体を否定してきたため直ぐに方針を切り替えて慰謝料などの支払いを求める訴訟の提起を行う(逃亡を防ぐため自宅土地の仮差し押さえも先行して行う)。訴訟では不貞行為の事実を相手方が認めるに至ったので、争点は①不貞行為の際に婚姻関係が破綻していたか。②慰謝料③探偵費用を損害賠償として請求できるか限られた。最終的に尋問を経て和解での解決になったが、裁判所からは以下の心証開示がなされた。①夫婦間のメール等の証拠や反対尋問の際の相手方の発言から婚姻関係の破綻は否定②不貞行為に加え、子供と引き離されたことを重視して200万円に近い慰謝料が認められる。③探偵費用については全額では無いが、不貞立証に必要なものであったことから、半額程度を損害として算入する。④以上金額について年5パーセントの割合の利息が加算される。これを受けて当事者双方で和解提案を受諾し、裁判所の心証に殆ど近い金額支払いを受けることができた。
今回特筆するべき点としては、探偵費用の一部が損害として認められ、慰謝料及び利息と併せてかなり大きな金額での解決を実現することができたところです。過去の裁判例を調査して、要件さえ具備すれば探偵費用についても損害参入される余地があることは分かっていたため、そのための主張と立証を展開し、100万円程度の加算が最終的に認められました。そもそも探偵費用を考慮しないで交渉や訴訟に臨む弁護士も多いことから、これまでの知識と経験がものを言った事件だったと言えます。