この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
相談内容規約で許されていないにも拘わらず,既婚者であることを偽って未婚者として婚活サイトに登録。その後当該サイトを介して知り合った女性と性的関係を持ったが,実際に結婚していることが分かってしまい,損害賠償を300万円請求されている。交際関係は3年間ほどだが,どうすれば良いか。当該女性は20代であり,妊娠等はない。
解決への流れ
受任後,速やかに相手方女性に謝罪を行う一方,過去の裁判例を調査し,請求の法的な構成と慰謝料額の相場について精査。それぞれの事案において慰謝料を決定するファクターとされた事実を抽出した上で,それを本件においてあてはめ,適正と考える金額として40万円を提示。最終的に示談交渉となったが,口外禁止条項と解決後の証拠の廃棄条項を設けることを条件に,金50万円を支払うことにより示談を成立させることができた。
ネットの浸透と婚活サイトの隆盛を背景に近時増えている累計の事件です。当該事件以外にも請求する側として数件扱ったことがあり,受任当初当初からある程度の道筋が立っていたため,比較的スムーズに解決に導くことができました。この種の事案では被害者の被害感情が非常に大きく,どちらの立場の代理人になるとしても,この被害感情の大きさにはきちんと配慮して事件を進めなければ,円満な解決は見込めません。この点,当事案では依頼者に謝罪の重要性を伝え,被害女性も直接の謝罪を受け入れてくれたことから,比較的定額での示談を成立させることができました。