この事例の依頼主
男性
相談前の状況
(相談内容)父が死亡したが,既に母とは離婚済みで子供は自分と姉しかいない。しかし,自分も姉も遠方に住んで,しかも日中仕事をしており,とてもではないが相続に必要な手続を行う時間が無いため,まとめて手続をお願いしたい。相続財産は,一度自宅に整理に行った限りでは,①居住用マンション1部屋②預金複数(通帳あり)③終身保険(保険証書あり)④株式(証券会社からの通知あり)⑤貸金庫(貸金庫とタグのついて鍵が見つかった)あることは分かっているが,詳細は不明である。相続財産の調査,解約手続,登記手続等の一切の手続を任せたい。
解決への流れ
受任後,直ぐに相続手続の準備を行いました。具体的には,①亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍一式及び相続人の現在の戸籍謄本(全部事項証明書)の取得②遺産分割協議書及び遺産目録の作成(一方の相続人に一旦全ての財産取得させて手続を簡略化し,他方には代償金を支払うことにより精算する内容にしました)③不動産については相続人への相続登記の申請準備(登記や固定資産評価証明書の取得,申請書の作成)を進めると共に,価額査定を事前に取得しておき,仲介業者を選定して極力有利な条件を提示してくれる買い手候補を探しました。特に被相続人が自宅で亡くなっていたこともあり,買い手候補者への説明には腐心しました。④預金・株式について,金融機関及び証券会社に相続手続の代行について連絡を行うと共に,手続に必要な書類を取り寄せる。その後,準備が整ったものから順次相続手続(不動産についての相続登記申請,売買契約の締結も含む)を行い,相続開始から半年間で全ての手続を終了させることができました。無事に各相続人に金員を分配することができ,満足をいただいた事案です。
相続手続代行については,弁護士だけではなく,①金融機関や②株式会社等でも取り扱っているところはあります。しかし,金融機関の相続手続代行は最低でも100万円程度の費用が必要になるところが多く,また,会社に依頼する場合でも,結局必要な登記手続やトラブルがあった場合の処理については司法書士や弁護士に会社経由で依頼をしなければならず,会社への手数料に加えて各士業への支払が必要になるケースが多いため,表面的な金額は安くても結局は高額の費用が必要になるということが良くあります。当事務所の弁護士は簡単な相続登記であれば本件のように司法書士を使わずに手続が可能ですし,必要に応じて遺産分割協議書の作成,トラブルが生じた場合には調停や審判,訴訟提起等にワンストップで対応することが可能です。