犯罪・刑事事件の解決事例
#親権

従前主たる監護者であったが突然連れ去られ途方に暮れた中、無事取り返しに成功

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中村 誠志 弁護士が解決
所属事務所中村法律事務所
所在地兵庫県 神戸市中央区

この事例の依頼主

30代

相談前の状況

本件は、婚姻関係が悪化した夫婦間での子の監護者がどちらですべきかが争われた事案です。婚姻関係の悪化に伴い、離婚についての協議を当事者間で行っておりましたが、親権について、協議が合意に至らず、当事者間での協議が継続していた中、父親である相手方が突然未成年者を連れて別居を開始し、私が母親を代理し、子の監護者指定及び引き渡し請求を申立てました。

解決への流れ

早急な引き渡しの必要があると考え、保全処分も並行して申立を行っておりましたので、期日は比較的早期に行われることになりました。もっとも、調査官による調査の末、現状の監護を維持する方が良いといったような表面的な理由で相手方が監護者として適切といったような判断が下されることになりました。そのような結果では納得がいかないと依頼者様とも協議し、高等裁判所に異議申し立てを行い、当方が監護者といった判断に変更され、お子様は依頼者様の下に帰ってきました。その際に涙ながらに喜んで頂いたのを今でも忘れられません。

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中村 誠志 弁護士からのコメント

本件は、原審の判断を抗告審で、当方有利な判断に覆した事案になります。抗告審で判断が覆る事件は、相対的に多いものではありません。本件でも当てはまりますが、抗告審が独自に再度の調査官による調査などが行われる可能性は、高いとはいえません。したがって、原審の段階で判断要素となりうる事実について、特に調査官の調査報告書の段階で顕出させておく必要性が高いものと考えております。とりわけ、従前の監護状況について具体化した説明をいわゆる「子の監護に関する陳述書」だけでなく、本人から調査官に説明することが必要になります。その中で、特に主たる監護者であったとの認定を得ることが必要になろうかと思います。本件は、この点について原審の段階で顕出できた点は大きかったように考えております。また、争点となりうる別居の経緯について、関係各所から聞き取った上でそれを証拠化できた点も大きかったように感じております(結果的に、原審はそれほど重きを置いた考慮をしておりませんでしたが、抗告審は重視した判断となっております)。以上のように、同種の事案類型では、一般に言われている判断基準を下に判断されることにはなりますが、判断における考慮の度合いについては、裁判体によっては大きな違いがあるように感じております。その為、前述のように抗告審で調査官調査が行われる可能性が高くない現状を踏まえると、原審の調査官調査での面談が抗告審での結果に重大な影響が及びうると実感しております。