この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
80代の女性が亡くなったが、相続人は一人もいなかった。その女性が亡くなる前に身の回りのお世話をして葬儀の手配などをした60代の女性から遺産はどのようになるのかとの相談を受けた。
解決への流れ
まず、亡くなった女性の相続財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立てをし、相続人であるとの届け出が誰からもなされないことを確認した後、身の回りのお世話をしていた女性を特別縁故者として相続財産分与の申立を家庭裁判所に対してしたところ、遺産(1000万円以上)全額が同人に分与された。
ある方が亡くなった時に、配偶者も亡くなっており、兄弟姉妹も子供もおらず、法定相続人が一人もいないという場合がしばしばあります。そのような場合に、民法958条の3は、亡くなった方と生計を同じくしていた者やその療養看護に努めた者などに遺産の全部または一部を分与することができると定めています。但し、このような事柄が当てはまる人がいたとしても、いきなり相続財産の分与を家庭裁判所に申し立てることができる訳ではなく、まず相続財産管理人の選任を申し立てた後に、一定期間内に相続財産の分与の申立をしなければなりません。また、どのような場合に相続財産の分与が認められるかについては、色々な裁判例があり、申立のやり方にもある種のコツがいります。もしも、相続人がいないまま亡くなった方がいて、生前、その方の身の回りのお世話をしていたというような場合には、どのようにしたらよいか弁護士に相談することをお勧めします。