この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
20代の兄妹からの相談で、父親が亡くなった後に、父方の祖父が亡くなり、その遺産相続に関する事案。共同相続人は兄妹にとって叔母に当たる人達であったが、祖父の預貯金にどのようなものがあったかを開示してもらえず、どれだけ遺産があるのか分からずに困っていた。また、自分達が住んでいる土地のうちの4分の1が祖父の名義になっており、その土地を相続したいと考えているが、その代わりに、多額の代償金を要求されることが予想された。
解決への流れ
遺産分割の調停を申し立て、その中で祖父名義の預貯金の口座の履歴の開示を受け、遺産の額を明らかにした。また、土地を相続する代償金として、実勢価格をもとにすれば600万円から700万円、固定資産税評価額を基準としても400万円弱を支払わなければならない計算であったが、祖父の土地に対する権利は共有持ち分に過ぎないことや、土地上に兄妹名義の建物が存在することなどを指摘して、150万円に減額した。1年以上かかることもめずらしくない遺産分割調停であるが、早期に争点をまとめ、合理的な提案を行ったことで、約3か月でのスピード解決となった。
遺産分割において、亡くなった方の身近にいた相続人が預貯金などの金額を隠すなどして、なかなか協議が進まない場合があります。このような場合には、弁護士が介入すれば金融機関に問い合わせて10年前からの履歴を取り寄せることができます。また、任意に話し合いを続けるより、思い切って調停を申し立てた方が、早い解決となる場合が圧倒的に多いと思われます。この事案では、その点を十分に依頼者に説明して、任意の交渉を経ることなく調停申立をしたことが、早期解決に繋がりました。また、不動産の遺産をどのように遺産分割で評価すべきかについては、様々な難しい問題があります。その点が争点となっている場合には、やはり弁護士に依頼して交渉することが非常に有効だと思われます。