この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
ご依頼者様はとある会社(A社)で取締役をされている方でしたが、A社を退社して独立し、B社を立ち上げられました。ところがB社で営業活動を行うようになってしばらく経った頃、その営業活動はA社の営業秘密(具体的には取引先の情報)を利用して行っているもので不正競争に当たるなどどして、A社から損害賠償の請求を受けてしまいました。
解決への流れ
ご事情をお聞きしたところ、確かにA社在籍時に取引をしていた顧客(C社)から仕事を引き受けているとのことでしたが、そのC社はもともとご依頼者様のお知り合いの方で、ご依頼者様独自の人脈を利用して営業活動をされているとのことであり、A社の営業秘密を利用されているような跡はありませんでした。また、そもそもC社の方からご依頼者様に仕事を一緒にしないかと持ち掛けてこられたとのことで、A社の主張するような不正競争は存在しないことが分かりました。私はC社の方にもお話をお伺いし、上記の事実を確認した後、A社と話合いをし、結果としては事情を納得頂いて解決に導くことができました。
勤めていた会社を独立して新規事業を立ち上げる際、従前勤めていた会社と紛争になることがよくあります。よくある例としては、①もともと勤めていた会社との間で、「2年間は同種の事業をしない」といった合意書を作成してしまっていて、せっかく独立しようとしても独立できない、②退職前に得た顧客情報や営業秘密を利用して営業活動を行ってしまい、不正競争防止法違反、不法行為等といって損害賠償を請求されている等といった具合です。その他、③会社様の側から、退職した従業員があちこちで会社の誹謗中傷をしているので止めさせたいというご相談もよくあります。特に立ち上げ期の会社には法務部や法務顧問も存在せず、利益優先で行動しがちであり、上記のようなトラブルを抱えてしまうことが多いのです。しかしながら、人員も少なく問題解決に時間を割けない立ち上げ期の会社にとって、このようなトラブルを抱えてしまうことは、それ自体大きな痛手です。したがって、合意書の内容が不合理でないか、自分の営業活動に問題はないか、不安に思われたら早期に専門家に相談することが肝要ですし、場合によっては顧問弁護士を雇い、会社の抱える法的リスクを常にチェックしてもらうということが、健全な会社運営には必要だと思います。