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「友人の不倫」1年間黙ってたら激怒された…「手助け度合い」によってはリスクも
2018年06月27日 09時59分

既婚の友人が1年にわたり不倫していた事実を知りながら、友人の妻に黙っていたという人から、弁護士ドットコムに相談が寄せられました。

相談者は、友人の妻とも面識があり、不倫がバレた際に妻から電話がかかってきて、「不倫の事実を知っていたけど隠していた」ということを正直に伝えました。すると、妻は激怒して「訴える」と言ってきたそうです。

実際にどのような訴えを起こされる可能性があるのでしょうか。離婚訴訟に詳しい鬼沢健士弁護士に聞きました。

既婚の友人が1年にわたり不倫していた事実を知りながら、友人の妻に黙っていたという人から、弁護士ドットコムに相談が寄せられました。

相談者は、友人の妻とも面識があり、不倫がバレた際に妻から電話がかかってきて、「不倫の事実を知っていたけど隠していた」ということを正直に伝えました。すると、妻は激怒して「訴える」と言ってきたそうです。

実際にどのような訴えを起こされる可能性があるのでしょうか。離婚訴訟に詳しい鬼沢健士弁護士に聞きました。

●実際に手助けした人が訴えられたケースも

ーー不倫を手助けする行為は法律上、問題でしょうか

「まず、不倫は不法行為にあたります。そして、それを幇助(手助け)した人も、共同不法行為者として賠償責任を負うことは、民法719条2項に明記されています」

ーー実際に幇助した人が訴えられたケースもあるのでしょうか

「まず、不貞当事者のために住居を提供し、原告に離婚を迫る等したケースでは積極的に婚姻継続を阻害したと認定され賠償を命じられています(横浜地裁川崎支部S43.7.22判決)。

他にも不貞当事者のデートに同行したり、不貞当事者が部屋を借りられずにいたため、不貞相手の父が連帯保証人になったケースです。これを不貞行為の援助・助長させたと不貞相手の父も訴えました。もっとも、このケースでは婚姻関係を知ったうえでの行動とは認めず、不貞相手の父に対しての請求は否定されました(東京地裁H28.5.9判決)」

ーー今回のケースではただ黙っていただけですが、共同不法行為となりうるのでしょうか

「今回ご質問のケースでは、黙っていただけであり積極的に不貞を手助けしたわけではありません。また、不貞を知っていたとしても積極的に教える義務はないといえます。不貞を幇助したケースで損害賠償請求が認められるには、より強い関与が必要でしょう。

これらのことから、質問された方が共同不法行為者として賠償請求が認められる可能性はないといえるでしょう。とはいえ、不倫された人はとても傷つきますし、間接的とはいえそれに関わった人も、請求が認められるかはさておいて損害賠償請求相手とされるリスクはあります」

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(弁護士ドットコムニュース)

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