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痴漢に間違われたら「逃走」が最善? 弁護士「危険なので、落ち着いて立ち去って」
2016年04月19日 10時43分

3月20日に放送された日本テレビ系列のバラエティ番組「行列のできる法律相談所」で、痴漢と間違えられた時の対処法として、弁護士が「走って逃げろ」などとアドバイスしたことが、ネット上で話題になっている。

この日の番組では、痴漢冤罪に対する最善の対処法が4人の弁護士によって議論された。その結果、4人のうち3人が、「本当にやっていないなら立ち去る。逮捕される前に全速力で走って逃げる」「事件に巻き込まれてしまうことが一番怖い。やましいことがあるから逃げるのではない。自分にふりかかろうとしているとんでもない災難から逃げるのだ」と、現場から立ち去ることをすすめた。

弁護士たちの回答に対して、ネット上では「逃げたらよけいに怪しまれるのでは?」「本当にやってないなら逃げる必要ないよね」という意見がある一方、「やってないことを証明するのが難しいなら逃げるしかない」という声もあり、賛否が分かれた。

痴漢をしていないのに疑いをかけられた場合、「走って逃げる」は正しい対処法なのか。指宿昭一弁護士に聞いた。

3月20日に放送された日本テレビ系列のバラエティ番組「行列のできる法律相談所」で、痴漢と間違えられた時の対処法として、弁護士が「走って逃げろ」などとアドバイスしたことが、ネット上で話題になっている。

この日の番組では、痴漢冤罪に対する最善の対処法が4人の弁護士によって議論された。その結果、4人のうち3人が、「本当にやっていないなら立ち去る。逮捕される前に全速力で走って逃げる」「事件に巻き込まれてしまうことが一番怖い。やましいことがあるから逃げるのではない。自分にふりかかろうとしているとんでもない災難から逃げるのだ」と、現場から立ち去ることをすすめた。

弁護士たちの回答に対して、ネット上では「逃げたらよけいに怪しまれるのでは?」「本当にやってないなら逃げる必要ないよね」という意見がある一方、「やってないことを証明するのが難しいなら逃げるしかない」という声もあり、賛否が分かれた。

痴漢をしていないのに疑いをかけられた場合、「走って逃げる」は正しい対処法なのか。指宿昭一弁護士に聞いた。

●「『何もしていなければ処罰されない』という常識が通用しない」

「『走って逃げる』ことにはリスクがあります。周りの乗客が、逃亡した人を真犯人だと思って逮捕に協力し、結果的に捕まってしまうかもしれません。逃げて捕まれば、捜査機関からも、裁判官からも強く疑われる理由を作ってしまいます」

指宿弁護士はこのように述べる。

「残念なことに、日本の刑事裁判は、『何もしていなければ処罰されない』という常識が通用しません。

一度、逮捕されてしまったら、ベルトコンベアーに乗ったかのように、勾留、起訴、有罪判決という方向に流されていきます。逮捕の期間は最大3日間ですが、その後の勾留は最大20日間です。『やっていない』と23日間、言い続けることのできる人は多くはありません。

また、逮捕・勾留されている期間、仕事を休まなければならないという問題もあります。痴漢事件の場合、一般人が被疑者を逮捕して、警察官に引き渡す場合が多いですが、その場合にも事情は変わりません」

●一度その場を離れれば、現行犯逮捕はできなくなる

では、どうすればいいのだろう。

「私は、やっていないことを主張しながら、落ち着いてその場を立ち去るのがいいと思います。それが難しい場合には、『この人が痴漢です』と主張している女性に名刺を渡して、『逃げも隠れもしないので、改めて連絡してくれ』と言うのがいいでしょう。

一度、その場を離れれば、原則として現行犯逮捕ができなくなるので、令状を取らなければ逮捕ができなくなります。

それもできずに、駅の事務室などに連れて行かれたら、一刻も早く弁護士を呼ぶべきです。逮捕されているなら当番弁護士が呼べますし、逮捕されていないなら、家族か友人に頼んで弁護士を探して連絡してもらうのがいいでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

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