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TBS安住アナに浮上した「週7日勤務」の可能性、法的に問題ない?
2021年05月25日 10時09分

TBSの安住紳一郎アナウンサーが番組改編により10月からさらに忙しくなりそうだ。秋から始まる朝の情報番組の司会を務めることが決まったからだ。

ただ、新番組は月曜から金曜までの生放送。安住アナは現在、土曜と日曜にも生放送を抱えているため、全部出演すると「週7日勤務」になってしまう。

ほかにも多くの人気番組を受け持っているだけに、出演番組の今後に注目が集まっている。

TBSの安住紳一郎アナウンサーが番組改編により10月からさらに忙しくなりそうだ。秋から始まる朝の情報番組の司会を務めることが決まったからだ。

ただ、新番組は月曜から金曜までの生放送。安住アナは現在、土曜と日曜にも生放送を抱えているため、全部出演すると「週7日勤務」になってしまう。

ほかにも多くの人気番組を受け持っているだけに、出演番組の今後に注目が集まっている。

●労基法では週1日の休みが必要

芸能人のようではあるが、安住アナはTBSの局アナ(正社員のアナウンサー職)なので、法的には労働者という立場だ。

フリーアナウンサーでもある青木美佳弁護士は、次のように説明する。

「労働基準法35条では、使用者に対して労働者に毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日をとらせることを義務付けているので、『週7日勤務』はできません。

休みの日をずらしたり、固めたりすることで、理論的には週1日休みなら最大12日、4週4日なら最大48日まで連続勤務はできます。ただ、番組は短くても1クール3カ月で区切ることが通常なので、今回のケースで週7日出演は無理じゃないでしょうか」

そうなると出演しない日や週を決めるか、どれかを降板しなくてはならないことになる。あるいは、生放送だったものを、録画・録音に切り換えることもあるかもしれない。

●フリーになる可能性は?

ただ、労働者には働ける時間の上限も決まっている。

「36協定を締結した場合の残業の上限は原則として、月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情があれば、年間720時間以内かつ、単月100時間未満、2〜6カ月平均80時間以内までは可能になります。

生放送だと、本番の2~3時間くらい前に現場入り。打ち合わせや勉強、リサーチの時間などもありますし、放送後は反省会などがありますから、それ以外の時間に他の番組のロケなどが入るようであれば、上限に近づく可能性もあるかもしれません」

負担などを見ながら、他番組への出演の有無やその方法を検討していくことになりそうだ。

「ただし、上記は一般の労働者の場合で、休日や残業時間の規制は労働基準法41条2号の『管理監督者』には及びません。安住アナはTBSの中でも上の立場だといわれているので、管理監督者に該当すれば規制にかからないことになります。

管理監督者にあたるかどうかは裁量や報酬の多寡、経営者と一体的な立場で職務を遂行しているかなど実態で判断されます。

安住アナは、長年にわたり人気と実力を兼ね備えて、局の様々な放送を担ってきたアナウンサーですから、すでに報酬は高額と推測されます。

そして、番組出演のみならず、経営方針に影響を与える発言権が社内で与えられていてアナウンス部を統括する立場にあれば、労働時間・休日に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容かつ責任と職責を負っていると見ることができるとも考えられます。

加えて、部下の人事考課に関する事項が職務内容に含まれているなどの事情があれば、管理監督者にあたりうる可能性は高まります。

もっとも、労働基準法の休日や残業にかかる規制は、労働者の健康保護のためにあるものですし、局としても、働き方改革が叫ばれるご時世ですから、無理なスケジュールで毎日出演させることはないのではないでしょうか」

そもそも、会社を辞めてフリーランスになれば、こうした決まりを考慮しなくても済むが……。

「フリーになれば、他局の番組にも出られるし、出演料も高額になる可能性が高いです。ただ、長期的な視点で見ると、フリーでは雇用契約のように安定して契約が継続される保証はないですし、自局の番組に出るだけで日々のほとんどの時間が取られてしまったら、様々な媒体に出るというメリットは得られませんよね」

ちなみに青木弁護士は、TBSのアナウンススクールに通っていたころ、安住アナの指導を受けたこともあるという。

「現場での臨機応変さなど、頭の回転がすごく早く、空気の読み方も尋常じゃなかった。

習っていたころはほぼバラエティのみを担当されていました。ニュース原稿読みとフリートークとでは、言葉を発するテンポなど、求められる技術が異なるため、アナウンサーは、専門というか、ニュース・バラエティ・スポーツとジャンルごとに担当がひとつの方向に決まりがちです。

ですが、ニュース番組に出演するようになったら、すぐに報道にも適応していて、技量の幅がさすがだなと思いました」

男性アナとしては、日本でもトップクラスの知名度と人気を誇る安住アナ。担当番組がどうなるかが注目される。

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