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「過労による通勤事故」、亡き息子の悲劇繰り返さないで…厚労省に対策と実態調査要望
2018年03月01日 12時45分

通勤途中の事故である「通勤災害」について、徹夜業務後、バイクで帰宅中に事故死した男性の遺族が3月1日、厚生労働省に対し、過労運転事故の実態調査と対策を求める申し入れを行った。

申し入れを行ったのは、商業施設の植物設営、装飾などを行う「グリーンディスプレイ」(東京都世田谷区)の従業員だった渡辺航太さん(当時24歳)の遺族。遺族は2015年4月、同社に約1億円の損害賠償を求めて提訴。横浜地裁川崎支部が帰宅途中の交通事故について会社の責任(安全配慮義務)を認め、2018年2月8日に和解が成立している。(過去の弁護士ドットコムの記事「21時間勤務後に帰宅中の事故死、会社の責任認める…訴訟の和解成立、原告側『画期的』参照」)

申し入れ書では、(1)過労死等防止対策推進法に基づき、通勤災害について過労運転事故が原因であるか調査研究を行う、(2)事業者に対して通勤途中の過労運転事故の防止策を周知徹底する、(3)働き方改革関連法案において、勤務間インターバル規制を法規制化するーーの3点を求めた。

通勤途中の事故である「通勤災害」について、徹夜業務後、バイクで帰宅中に事故死した男性の遺族が3月1日、厚生労働省に対し、過労運転事故の実態調査と対策を求める申し入れを行った。

申し入れを行ったのは、商業施設の植物設営、装飾などを行う「グリーンディスプレイ」(東京都世田谷区)の従業員だった渡辺航太さん(当時24歳)の遺族。遺族は2015年4月、同社に約1億円の損害賠償を求めて提訴。横浜地裁川崎支部が帰宅途中の交通事故について会社の責任(安全配慮義務)を認め、2018年2月8日に和解が成立している。(過去の弁護士ドットコムの記事「21時間勤務後に帰宅中の事故死、会社の責任認める…訴訟の和解成立、原告側『画期的』参照」)

申し入れ書では、(1)過労死等防止対策推進法に基づき、通勤災害について過労運転事故が原因であるか調査研究を行う、(2)事業者に対して通勤途中の過労運転事故の防止策を周知徹底する、(3)働き方改革関連法案において、勤務間インターバル規制を法規制化するーーの3点を求めた。

●過労による通勤帰宅途中の事故「潜在的に多数存在する」

申し入れ後に厚労省記者クラブで開かれた記者会見で、代理人の川岸卓哉弁護士は、運転手など業務中の交通労働災害については調査や対策が行われているものの、通勤途中の過労運転による事故死の実態調査が行われていないと指摘する。

川岸弁護士は、「業務時間外の通勤災害について、平成28年度労災保険事業の新規支給件数は7万5251件あるが、国によって原因の調査がされたことはない。通勤帰宅途中の事故については、会社も責任を負ってこなかったというのが実態だが、長時間労働など過労が原因とされるものが潜在的に多数存在する」と話した。

過労死弁護団全国連絡会議代表幹事の松丸正弁護士は、「長時間労働の中で通勤すれば、その過労が通勤に危険を及ぼす。長時間労働や睡眠不足と事故との関連をしっかり調査研究するとともに、過労死等防止対策推進法の中に位置づけることが求められる」と話した。

会見に同席した航太さんの母淳子さんは、「日常的に交通事故のニュースは耳にします。そのうちの何割かは過労によるものだと考えられますが、現在はその統計すらありません。

『寝てないなら乗るな、乗るなら眠れ』のメッセージが、この機会に社会全体に知られることを強く望んでいます。認知されていれば、息子もきっぱりと断ることができ、今も元気に生きていたことでしょう」と訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)

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