コメ価格の高止まりが続くなか、江藤拓・農林水産大臣の「米を買ったことがない」との発言が「庶民感覚とかけ離れている」と批判を浴び、辞任に追い込まれました。
これを受け弁護士ドットコムニュースでは、LINE公式アカウントで米不足について体験談を募集しました。
すると、「米が高くて買えない」「おかゆにハマりつつある」といった節約術から、「お弁当に麦を混ぜたら子どもに『◯◯くんは白いご飯だった』と言われた」と嘆く声まで、さまざまな声が数多く寄せられました。
● 高くて買えない、そもそも米が売っていない
体験談では、そもそも「米が高くて買えない」「買いに行っても売っていない」という声が寄せられました。
中国地方・50代女性 「米売場に『一家族一袋迄』と張り紙があり。ただ、高額過ぎて10㎏買っていた米が5㎏しか買えなくなり今は2㎏しか買えなくなりました」
関西・40代女性 「残業が連日続く会社員です。私が住む地域、通勤経路の周囲は米販売の個数制限を設けており、残業を終えてスーパーやドラッグストアに行っても米が一袋もない状態が続いています」
● 「おかゆにハマりつつある」「玄米から押し麦に変更」
お米の節約法については、お米が長持ちするようにおかゆの回数を多くするといった声や、麦や外国産米も混ぜているといった声が寄せられました。
東京都・30代女性 「夫と2人暮らしですが、お米が5kg5000円を超えたあたりから、おかゆも食べるようになりました。案外美味しくておかゆにハマりつつあるのですが、やっぱり白米食べると『美味しい…』と思うので、早く価格が安定するよう願っています」
写真はイメージです(Ystudio / PIXTA)
関西・60代女性 「米に麦混ぜて炊いてます」
千葉県・63歳男性 「元々糖質32%カットの玄米2キロ1200円を食べてましたが、今回の米騒動で2500円まで上がったので押し麦5キロ1500円に変更しました。普通に炊くとパサパサしてますが、水を多目に入れておかゆモードで炊くと粘り気が出て食べやすいです。毎日美味しくいただいてます」
玄米を購入して家庭で精米するという方法を取っている人もいました。
神奈川県・60代女性 「玄米購入:家族3人がお弁当を持って行くため、1週間分ずつを自宅で精米しています」
● 子どもから「〇〇君は白いご飯だった」と言われ…
お弁当や給食への影響についても複数のコメントが寄せられました。
奈良県・50代女性 「昨年の秋、主人の会社で給食会社から配達してもらっていたお弁当が米不足でご飯だけ半分に減らされました。値段はそのままだったそうです。一時的とはいえ値引きしなくても問題ないのでしょうか」
岐阜県・40代女性 「保育園では副食しか出ないので、ごはんは持参することになっているのですが、店頭に米がなく麦を混ぜてかさ増しして炊いていたので、子どもから『ごはんが茶色い』『〇〇君は白いご飯だった』と言われ何とかならないものかと思いました。家では麺類などに代用できますが、園の給食は他のものを持たせることが出来ないので、経済的にも大変困りました」
● 「農家に恩恵ない」「近い将来日本の米を食べられなくなる」
米を作る農家の家族を持つ人からもコメントが寄せられました。
奈良県・60代女性 「実家がお米作ってる農家です。いつもお米を収穫した翌々年の3月まで備蓄米があるのに今年はもう底をつきそう。理由は、いつも注文受けてる個人のお宅(数軒)から、知り合いがお米無いと困ってるからどうしても余分に分けて欲しいと頼まれるからです。
断っても『どうしても』と言われるので、応えていたら農家である自分たちのお米の備蓄が無くなりそうで、生産農家である実家が他で買うことになる可能性も出てきた。
小売で高くても生産者に儲けは少なく、今後後継者もいなくてこのままでは生産量は少なくなるのは明らかで、もう近い将来日本のお米を食べられなくなるなと嘆いています」
関西・60代女性 「実家が農家の為、毎日普通に食べてますが、実母曰く、『米の価格が上がったって言うけど、私達農家にはなんも恩恵はない』と言ってました。誰が儲けてんだ?」
「私たち農家にはなんも恩恵はない」という声も。写真はイメージです(ひなママ / PIXTA)
● 「これほどまでにお米が手に入りにくくなったのは初めて」
8年間子ども食堂を運営してきた人からは「これほどまでにお米が手に入りにくくなったのは初めて」という声が寄せられました。
岡山県・40代男性 「これまで活動を続けてきて、これほどまでにお米が手に入りにくくなったのは初めてです。一瞬お店に並ばなくなるというレベルではなく、常にお金が足らず、高すぎるお米に手が出なくなる。そんな家庭が増えています。
我々の拠点でもお米が無くなりかけましたが現在は、企業の社長さんが農家さんからお米を買ってくれて、寄付してくださいましたが、またいつ同じような状況になるかは分かりません。
大臣の発言には呆れてものが言えませんが、怒っても僻(ひが)んでもお腹が満たされるわけもなく、一日でも早く安心して子どもたちにご飯を食べさせてやれる社会の実現に努めたと考えています」