17763.jpg
「ワンメーターはお断り」タクシー運転手が短距離の乗車を拒否、法的に問題ないの?
2017年01月18日 09時54分

ワンメーターで行けるところまで行ってほしいーー。タクシーに乗車しようとした際にそんなオーダーをしたところ運転手から乗車拒否されたという体験がネット上の掲示板に寄せられた。

「乗車拒否はいかんが、気持ちは分かる」と支持する声がある一方、「ワンメーターから営業してんのに怒るほうが非常識」など否定的な意見も寄せられていた。

「走行距離が短いから」という理由で、客の乗車を拒否をすることは可能なのだろうか。鈴木 義仁弁護士に聞いた。

ワンメーターで行けるところまで行ってほしいーー。タクシーに乗車しようとした際にそんなオーダーをしたところ運転手から乗車拒否されたという体験がネット上の掲示板に寄せられた。

「乗車拒否はいかんが、気持ちは分かる」と支持する声がある一方、「ワンメーターから営業してんのに怒るほうが非常識」など否定的な意見も寄せられていた。

「走行距離が短いから」という理由で、客の乗車を拒否をすることは可能なのだろうか。鈴木 義仁弁護士に聞いた。

●乗車拒否できるのは「正当な理由」がある場合に限られる

「タクシーの場合、お客さんから乗車の申し込みを受けた場合、正当な理由がない限り、原則として拒絶してはならないことになっています(道路運送法13条)」

鈴木弁護士はこのように述べる。「走行距離が短い」という理由は、正当な理由にあたるのか。

「例外的に、乗車拒否できるとされているのは、次のようなケースです(道路運送法13条ただし書き、旅客自動車運送事業運輸規則13条)。

全ては紹介しませんが、たとえば次のようなケースです。

・規定の料金よりも低額な料金で目的地まで行くように要求するケース、

・定員オーバーになる人数での乗車を要求するケース、

・「スピード違反してでも目的地に急げ」など道路交通法違反するような走行を要求するケース、

・行き先を告げられないほど泥酔しているといったケース

今回のケースでも、こうした事情があったのであれば乗車拒否しても問題はありませんが、単に、『走行距離が短い』というだけでは、正当な理由にはあたらないでしょう。

週末の深夜などに、長時間客待ちをした後ようやく乗せた客から、『ワンメーターで』と言われたら、たしかに運転手さんもがっかりしてしまうかもしれません。

ですが、法律上はこのようなルールになっています」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る