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アマゾンに2億円の賠償求め提訴、中国製の激安「偽造品」のせいで「売上減った」…正規品パルスオキシメーター業者
2022年09月28日 17時04分

パルスオキシメーターの偽造品を廉価で販売する業者への対応を怠ったとして、メーカーと販売会社(いずれも兵庫県神戸市)は9月28日、ECサイト「Amazon」を運営するアマゾンジャパン合同会社(東京都目黒区)を相手取り、計2億円の損害賠償をもとめて東京地裁に提訴した。

原告側は、「相乗り出品」と呼ばれる手法によって、偽造品が定価の10分の1の価格で販売され、売上や信用が低下したと主張している。

パルスオキシメーターの偽造品を廉価で販売する業者への対応を怠ったとして、メーカーと販売会社(いずれも兵庫県神戸市)は9月28日、ECサイト「Amazon」を運営するアマゾンジャパン合同会社(東京都目黒区)を相手取り、計2億円の損害賠償をもとめて東京地裁に提訴した。

原告側は、「相乗り出品」と呼ばれる手法によって、偽造品が定価の10分の1の価格で販売され、売上や信用が低下したと主張している。

●中国系の無許可業者が10分の1の価格で「偽造品」を売り出した

原告のメーカー社長や代理人弁護士が同日、都内で記者会見を開いて説明した。

訴状などによると、メーカーから独占的な販売委託を受けた販売会社は、Amazonに月額を支払うことで2011年5月からAmazonマーケットプレイスにおいて複数のパルスオキシメーターの出品を始めた。

新型コロナ禍でパルスオキシメーターの需要が高まる中、2020年8月に中国企業の偽造品が販売されていることを確認したという。

たとえば、販売定価2万5740円で出品した商品について、同じ商品の販売を装って2200円で出品されていたという。販売会社は独占的な販売委託を受けているため、別会社の商品は「本物」ではないとしている。

パルスオキシメーターは薬機法で定められた特定保守管理医療機器にあたり、国内で販売するためには高度管理医療機器等の販売許可などを得る必要がある。

しかし、Amazonではパルスオキシメーターの出品登録にあたり、販売許可証明書の提出は求められないため、販売会社が商品登録を一度済ませてしまえば、無許可事業者でも「同じ商品」を出品することができてしまうのだという。

パルスオキシメーターに限らず、Amazonにおけるこうした行為は「相乗り出品」と呼ばれている。今回のケースでは、ほとんどが高度管理医療機器等の販売許可を得ていない中国業者によるもので、販売会社が実際に購入して偽造品と確認したという。

●値段を吊り上げているとして、正規品が「駆逐」されるシステム

サイトの仕様上、消費者に優先的に表示されるのは、出品価格が安い「相乗り出品」の商品だ。正規品なのに、サイトにおける販売価格の平均値から大きく乖離しているとして、いくつかの商品の出品が停止されたとしている。

そこで、出品停止の解除とともに、相乗り出品業者の販売中止処分をアマゾンにもとめたが、今度は複数の商品ページが一気に削除されるに至り、相乗り出品業者もろとも販売会社まで販売できなくなってしまったという。

問題となるのは、相乗り出品された商品の評価も、正規品の評価も、同じレビューとしてまとめられてしまうことだ。

「日本製との書き込みに対して、中華品でした」 「【日本製】という文句を信じてしまいまんまと騙されてしまいました」

こうした低評価の書き込みが頻発したことから、原告メーカーの風評被害につながるため、販売会社はサイトにレビューの削除をもとめたが、これもなんら対応はなされなかったとしている。

●「脱法商品の抜け道を作っている」(メーカー代表)

原告メーカー社長の藤井敬博さんは、偽造品を相乗り出品する業者に連絡して注意したこともあったというが「数が多くてキリがない。プラットフォームの責任を問うため訴えた」と話す。

Amazonのシステムを「脱法商品の抜け道を作る」と指摘し、「法令遵守して販売しているにもかかわらず、品質の悪い脱法商品と価格競争せざるをえない多くの日本の中小企業が存在します」と呼びかけた。

新型コロナウイルスの感染拡大による需要を受けて、販売会社は2020年9月から翌年8月まで1年間のAmazonでの売上は約3億3600万円にもなったが、相乗り出品の急増もあって、2021年9月からの1年間は約3540万円まで売上が下がったという。

アマゾンジャパンは「訴状が届いていないため、本件につきましてはコメントを差し控えさせていただきます」と弁護士ドットコムニュースに回答した。

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