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LGBT相談者「19%が自殺未遂を経験、34%に自殺念慮」…電話相談の調査結果
2016年09月20日 10時41分

LGBTなどセクシャルマイノリティーへの差別防止を考える講演会が9月19日、東京・お茶の水女子大学で開催された。元岩手県宮古市長で、医師の熊坂義裕・社会的包摂サポートセンター代表理事は、同センターが運営する電話相談の統計を示し、「セクシャルマイノリティーの相談者には、自殺未遂の経験がある人の割合が一般よりかなり高い」などと報告した。

講演会は、『「LGBT」差別禁止の法制度って何だろう?』(かもがわ出版)の出版を記念し、編著者のLGBT法連合会と、お茶の水女子大学ジェンダー研究所(IGS)が主催した。熊坂義裕代表理事による報告のほか、自治体のLGBT差別をなくすための取り組みや、差別禁止のための法整備などについて議論された。

LGBTなどセクシャルマイノリティーへの差別防止を考える講演会が9月19日、東京・お茶の水女子大学で開催された。元岩手県宮古市長で、医師の熊坂義裕・社会的包摂サポートセンター代表理事は、同センターが運営する電話相談の統計を示し、「セクシャルマイノリティーの相談者には、自殺未遂の経験がある人の割合が一般よりかなり高い」などと報告した。

講演会は、『「LGBT」差別禁止の法制度って何だろう?』(かもがわ出版)の出版を記念し、編著者のLGBT法連合会と、お茶の水女子大学ジェンダー研究所(IGS)が主催した。熊坂義裕代表理事による報告のほか、自治体のLGBT差別をなくすための取り組みや、差別禁止のための法整備などについて議論された。

●「自殺を強く考えた」34%、「自殺未遂歴あり」19%

社会的包摂サポートセンターが運営する「よりそいホットライン」は、2012年3月に始まった。24時間365日の無料電話相談で、年間1000万件を超える電話が寄せられるが、回線数の関係で、実際の相談に至るのはこの一部という。セクシャルマイノリティー専用回線のほか、一般の相談窓口、DV被害者、自殺防止など、合計6つの回線を設けている。

2015年4月~2016年3月までの1年間に、「セクシャルマイノリティー」の専用回線にかかってきた電話は全体の3.29%に相当する約37万6000件。そのうち約3万6000件が、実際の相談に至った。相談者の年齢は、40代が35.3%と1番多く、次に20代の27.8%、30代の21.7%と続く。

セクシャルマイノリティーからの相談内容では、心と体の悩みや人間関係の悩みがあると答えた人がそれぞれ8割を超えていた。結婚や恋愛の問題、周囲の偏見、友人関係に関する相談が多く、「同性愛者であることを周囲に暴露された」「相談する人も居場所もない」などの悩みも寄せられた。

また、ホットラインへの全相談の内、「自殺を強く考えたことがある(自殺念慮)」のは、「自殺防止」回線が67.7%と一番多く、次いで「セクシャルマイノリティー」回線の34.1%だった(一般相談は14.4%、DV相談は10.4%)。また、「自殺未遂の経験がある」人も、「自殺防止」回線の30.4%に次ぎ「セクシャルマイノリティー」回線が18.9%と、こちらも2番目に多かった(一般5.4%、DV相談5.3%)。

●「東京五輪に向けて法整備を」

熊坂代表理事は、全人口の7.6%がセクシャルマイノリティーだという電通の調査結果(「電通ダイバーシティ・ラボ」2015年調査)を引き合いに、「5世帯に1世帯には、セクシャルマイノリティーの方がいる計算で、実際にはマイノリティーという言葉を使わなくても良いくらいだ」と指摘した。

しかし、現実的には存在が可視化されていないことから、「社会がセクシャルマイノリティーの存在を想定していない」と課題を口にした。そこで、世界各国から多くの人が訪れる2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け「社会がステップアップするための大きな4年間だと思っています」として、法整備などのサポート体制を整える必要があると訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)

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