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カーナビの「テレビ視聴制限」機能を無効にしたら違法? 「ながら運転」の法律問題
車の運転中にスマートフォンの操作をしたり、カーナビで映像視聴をしたりすることは、なんとなく危険だというイメージはあるでしょう。
では、運転中の映像視聴制限機能を無効にして、自由に映像視聴できるようにすることは、違法行為なのでしょうか。また、スマホホルダーを車に設置することもダメなのでしょうか。
このような「ながら運転」の法律問題について、自動車ライターの松平智敬さんのレポートをお届けします。
宮迫さんら「金銭受領」は犯罪なのか? 特殊詐欺グループへの「闇営業」問題
反社会的勢力への「闇営業」問題で、お笑い芸人たちが謹慎処分となっている。
吉本興業の発表などによると、雨上がり決死隊の宮迫博之さんなど、お笑い芸人たちが2014年12月、都内のホテルでおこなわれた特殊詐欺グループの忘年会に参加したとされる。元カラテカの入江慎也さんによる仲介で、事務所を通さない「闇営業」だったという。
吉本興業は6月24日、宮迫さんや、ロンドンブーツ1号2号・田村亮さん、レイザーラモン・HGさんなど、11人を謹慎処分とすると発表した。ワタナベエンターテインメントは7月1日、お笑いコンビ「ザブングル」の2人を8月末まで謹慎とすると発表した。
宮迫さんたちは、一定の金額を受領していた。また、ザブングルも、入江さんを通じて、それぞれ7万5000円を受け取ったという。いずれも、反社会的勢力の主催との認識はなかったということだが、こうした組織からお金を受け取ることは、法的に問題ないのだろうか。桑原義浩弁護士に聞いた。
聖火リレー動画、SNSへの投稿「個人はOK」 組織委員会があらためて明言
「聖火リレー撮影動画、一般人はSNSへのアップ禁止」という日刊スポーツの記事が、3月28日にツイッターで拡散し話題となった。しかし、記事の日付は「2020年2月28日」と1年以上前のものだ。
その方針自体は、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が2020年2月に一度公表したものだった。もっとも、組織委員会は、その直後に「理解が不正確で事実と異なっていた」と謝罪して方針を撤回。国際オリンピック委員会(IOC)も個人のSNS利用には問題ないことを明らかにしていた。
東京2020オリンピック聖⽕リレーメディア事務局は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「明文化したルールが公表されているわけではない」としつつも、「個人が公道で撮影した聖火リレーの動画を、個人使用の目的で個々人のソーシャルメディアアカウントに投稿することについては、特に制限はない」と話し、あらためて問題がないことを強調した。
眞子さん結婚「今の日本は誹謗中傷の全盛期」「新しい皇室の有り方、議論を」弁護士の声
秋篠宮家の長女眞子さんが10月26日、小室圭さんと結婚しました。
2人の結婚をめぐっては、圭さんの母親の元婚約者との金銭トラブルが継続的に報じられ、批判の声が高まると同時に、批判のレベルを超えた誹謗中傷も目立ちました。
弁護士ドットコムでは、11月2日から5日にかけて登録弁護士にアンケートを実施して、211人から回答が寄せられました。その結果を3回にわけて紹介します。今回がラストとなる3回目です。
「高プロ」採決反対訴え、過労死遺族らが集会「働き方改革は誰のための改革か」
「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の法案からの削除を求め、過労死遺族や日本労働弁護団のメンバーらが6月27日夜、東京都のJR新橋駅前で「労働者を守る労働基準法が壊れてしまう」などと訴えた。
高プロを含む、「働き方改革一括法案」をめぐっては、与党が6月28日の参院厚生労働委員会で採決し、翌29日の参院本会議での成立を目指している。
勤務中の「ネットサーフィン」がバレて、退職後に損害賠償請求されそう
勤務中に会社のパソコンでしていたネットサーフィンを理由に、会社から損害賠償請求をされそうーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、そんな相談が寄せられました。
相談者は勤務先だった会社(すでに退職)で、就業時間中に会社のパソコンでネットサーフィンをして、サボっていたそうです。その当時は、注意や処分を受けなかったそうですが、退職後、会社が使用していたパソコンを調べたことからサボりが発覚。会社側は、時間を特定して損害賠償請求を検討しているそうです。
インターネットサーフィンをして就業時間中にサボっていた場合、従業員は会社に対して損害賠償責任を負う可能性があるのでしょうか。平山諒弁護士に聞きました。
朝日・慰安婦報道への謝罪広告求めた訴訟、二審も原告敗訴…名誉毀損など認めず
朝日新聞の慰安婦報道で名誉が毀損され風評被害に遭ったとして、日米の有力紙に謝罪広告を掲載することなどを求めた裁判は2月8日、東京高裁で控訴審判決があった。一審判決と同様に請求は棄却された。原告代理人の徳永信一弁護士は「最高裁への上告は今後検討する」としている。
楽天・安楽投手に「パワハラ疑惑」報道、球団の責任は? 弁護士「賠償求めるのは難しい」
プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの安楽智大投手による同僚への「パワーハラスメント疑惑」が波紋を呼んでいる。
報道によると、同じ球団の複数の選手から、契約更改交渉の場などで、安楽投手に日常的ないじめを受けたという訴えがあったという。
これを受けて球団は、安楽投手との契約更改交渉の予定を見送り、宮城県塩釜市とのパートナー協定締結式も延期。疑惑解明に向け、選手からのアンケート調査や聞き取りなどを進めているようだ。
済美高校(愛媛)のエースとして甲子園大会準優勝の実績があり、2014年にドラフト1位で入団した安楽投手は、近年中継ぎとして活躍していた。主力のパワハラ疑惑は球団内外へ衝撃を与えている。
プロ野球選手は、球団側と年単位の契約を締結するなど、企業に勤める一般的な社会人とは異なる環境にある。
もし仮にパワハラが事実だとした場合、本人だけでなく球団も何らかの責任を負うのだろうか。また球団側にはパワハラ防止に向けて対策を実施する義務などはあるのだろうか。今井俊裕弁護士に聞いた。
秋田県警だから仕方ない? 弁護士殺害の悲劇、現場にいた警官2人の不手際なのか
2010年11月、秋田市の弁護士・津谷裕貴さんが自宅に侵入してきた男に刺殺された事件。逮捕されたのは、離婚をめぐる裁判で元妻の代理人だった津谷さんを恨み犯行に及んだ菅原勝男受刑者。最高裁で無期懲役が確定している。
ただ、この事件には大きな謎があった。菅原受刑者が剪定ばさみを解体してつくった凶器で、津谷さんを正面から2度刺したとき、妻良子さんの通報で駆け付けた警察官2人がその場に居合わせていた。2人の警察官は一体何をしていたのか。
「夫が刺されたときの状況を明らかにして欲しい」。妻の良子さんら遺族は、秋田県と菅原受刑者に国家賠償と損害賠償を求める民事訴訟を起こし、「津谷さんが殺されたのは警察官の不適切な対応が原因」と訴えた。警察官2人が津谷さんを犯人と勘違いして取り押さえている際に、菅原受刑者に刺されてしまったというのだ。
これに対し、今年10月16日の秋田地裁判決(齋藤顕裁判長、藤田壮裁判官、柳澤諭裁判官)は、県への請求を棄却。原告の弁護団は客観的証拠として鑑定書を提出していたが、判決文はこの鑑定書をほとんど検討しないまま書かれていた。
弁護団の1人である清水勉弁護士は、「良子さんは事件現場にいて、ほんのわずかな時間、夫の姿を見ていなかったときに、警察官の目の前で刺された。見ていないはずがないのです。この点を明らかにするために、津谷さんが刺されたときの姿勢と警察官の行動に関する鑑定書を作成し、鑑定人の証人尋問までしたのに、判決文で無視しているのはひど過ぎる」と憤る。
判決文はどのようなものだったのか。清水勉弁護士に聞いた。
公認心理師・臨床心理士の信田さよ子氏はどう向き合った? 有名フリースクールの性暴力事件めぐる「二次加害」を考える
文部科学省は1月25日、不登校の児童・生徒に配慮したカリキュラムを組む「不登校特例校」のイベント中止を発表した。文科省はイベント中止の理由をはっきりと示していないが、かつて性暴力事件が発生したフリースクール「NPO法人東京シューレ」にからんで抗議があったことがわかっている。
このイベント中止をめぐり、元文部科学事務次官の前川喜平氏は「何か筋違いなクレームがついたため、急遽中止になったようだ。理解に苦しむ」とツイートしたが、その後、被害当事者のAさんは前川氏にあててTwitterでこう書いている。
「今回の前川さんの発言は、性暴力被害者への二次加害となっています。(略)どうかこちらの tweet を削除した上で性暴力被害者への二次加害をしたことについてきちんと謝罪をしていただきたく思います」
同じ被害者Aさんからかつて「二次加害だ」と抗議を受けたという点で、公認心理師・臨床心理士の信田さよ子氏は前川氏と同じ経験をしている。
信田氏は、晶文社のウェブ連載「『よきことをなす人』たちのセクハラ」で、人権や社会正義のための活動をしている団体の中で起きた性被害の告発について書いている。その1回目のコラムで、東京シューレ性暴力事件を含む、複数の事例を紹介していた(2021年11月掲載)。
コラムの掲載後、被害者Aさんは、信田氏あてに手紙を送った。
大人から子どもへのレイプが繰り返された事件を「セクハラ」と呼ぶこと、被害者が納得していないシューレ側の言い分のみを引用したこと、「加害・被害の二極化を避けなければ」という内容などが、被害者への「二次加害」であるという抗議だった。
昨年、信田氏は「本連載に関しての謝罪文」と題するコラムを掲載した。被害者の声にどのように向き合ったのだろうか。文科省の発表や、前川氏のツイートをどう感じているだろうか。謝罪文を書くに至った経緯も含めて聞いた。(ライター・黒部麻子)