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「すべての企業が労務管理を改善して」電通事件判決、幸美さんの尽きない悲しみと決意
「どうして、まつりでなければならなかったのか…」ーーそう言って、母は涙を浮かべた。
「まつりの生き様が多くの人に注目され、共感を呼んで、世の中を動かした。世の中を変えたのがどうして、まつりの死でなければならなかったのか。世の中が変わる、そのときまでまつりに生きて欲しかった…」
日本の働き方に大きな一石を投じた電通の違法残業事件。発端となった高橋まつりさんの過労自殺が発表されたのは、2016年10月7日のことだった。
それから1年たった今年10月6日、東京簡裁は労働基準法違反で電通に対し、50万円の罰金を命じた。電通は控訴せず、このまま確定する見込みだ。
しかし、遺族にとって終わりはない。まつりさんの母・幸美さんは、1年前と同じ厚労省記者クラブの会見場で、「未だに死を受け入れれることができません」と変わらぬ娘への思いを語る。
「『娘に何と報告したいか』という質問をよくされますが、これが一番難しい。生きて帰って来て。それしかありません」
弁護士が選んだ2022年話題の法律ニュース「安倍元首相銃撃」がトップ 2位に「阿武町が4630万円誤給付」
弁護士ドットコムは会員の弁護士に対して、2022年に印象に残った法律ニュースについて、アンケートを実施した(回答数:500人)。参院選前の応援演説中に安倍元首相が銃撃され死亡した事件が最多で、63.2%(316票)を集めた。2位の「山口・阿武町が4630万円誤給付」(34.2%、171票)の約2倍の票数となった。
アンケートは12月10日から12日、登録弁護士を対象に実施。弁護士ドットコムニュース編集部が、PVやSNS拡散数、話題性などを考慮してセレクトした2022年のニュース20の中から、印象に残ったもの3つを選ぶ形で実施。500人の弁護士から回答が得られた。
結果は「安倍元首相、銃撃され死亡」が他を圧倒しての1位(63.2%)。弁護士からは「元総理大臣が暗殺されるという前代未聞の事態と警備体制の杜撰さに衝撃を受けた」「背景に旧統一教会の問題があることで、さらに衝撃だった」とコメントが寄せられた。
山口県阿武町が給付金4630万円を住民1人に誤って振り込んだ事件は、2位(34.2%)にランクインした。国税徴収法や地方税法などを駆使して返金につなげた町の手法について「最終的に債権回収に成功してすごい」など、町側の代理人の奮闘をたたえるコメントも並んだ。
3位(30.2%)には、「改正民法の施行、成人年齢が18歳に」となった。「18歳19歳の方の権利関係に大きな変化が生じたため」というコメントなどから、法律実務に携わる弁護士だからこそより印象強いニュースだったことが窺える。

4位の「旧統一教会をめぐる問題」に対しては、「昨今話題に上がることが少なくなっていた霊感商法被害について、再度政府も大きく関わる形で大々的な被害者救済の活動や法改正までが行われるところまで発展したから」など、事件を契機として霊感商法被害の解決に向けて事態が大きく動いたことへの関心がみられた。
5位にランクインした裁判手続きの盗聴問題に対しては、「酷いことを行ってる割に処罰が軽い。弁護士が行っていたらどうなっていたのだろうか。」と、対応を疑問視する声も寄せられた。
また7、8位には最高裁判決(乳腺外科医師わいせつ事件、JASRAC訴訟)がランクインした。JASRAC訴訟については「生徒は演奏しているのか、させられているのか、というキャッチーな論点だった」というコメントも寄せられた。
3位以下については、以下の通り。
3位 改正民法施行、成人年齢18歳に(151票、30.2%)
4位 旧統一教会をめぐりさまざまな問題が噴出(143票、28.6%)
5位 国による裁判手続き「盗聴」問題が発覚(112票、22.4%)
6位 乗客・乗員26人を乗せた知床観光船が沈没(102票、20.4%)
7位 乳腺外科医師わいせつ事件、最高裁が有罪判決破棄差戻し(63票、12.6%)
8位 JASRAC、音楽教室に一部敗訴 最高裁判決(48票、9.6%)
9位 東京五輪パラ組織委の高橋治之元理事を逮捕(46票、9.2%)
10位 安倍元首相の国葬が執り行われる(46票、9.2%)
小室哲哉さん「不倫は犯罪じゃない」のに社会の晒し者、本来は当事者間の法的責任
小室哲哉さんの女性看護師との不倫疑惑が週刊文春(1月18日発売)で報じられ、小室さんは引退を表明するに至った。
今回の騒動を通じて、「不倫報道はもううんざりだ」という声とともに、「芸能人とはいえ、一個人の不倫がそこまで悪いことなのか」といった声もあがっている。
不倫の法的問題については、正確に理解されていない部分もあり、ツイッターでは、「浮気や不倫を万引きに置き換えるとしっくりきます」「不倫って犯罪じゃないの?」などの声も出ている。
ただ、明確なことは、不倫は犯罪ではない(わが国においても戦前は姦通罪の規定が存在したが、戦後、1947年に削除されている)。では、法的にはどんな位置づけなのか。
NHK受信料判決、弁護士出身の裁判官1人が反対意見
NHKの受信料制度を合憲などとした12月6日の最高裁大法廷判決では、15人いる裁判官のうち、弁護士出身の木内道祥裁判官が、1人反対意見をつけた。受信料制度を違憲としているわけではなく、判決とは別の理由で受信料を支払わせるかを判断するのが適切としている。
木内裁判官は、放送法64条1項やNHKの放送受信規約を分析し、裁判所の判決によって、消費者側に受信契約を結ぶよう強制することはできないと指摘。また、判決確定後から進行するとされた「消滅時効」などについても、ほかの時効と比較した上で、「およそ…消滅することのない債務を負担するべき理由はない」と述べている。
木内裁判官は、NHKと契約することなく、放送を受信できる状態になっていることで、不当利得返還義務や損害賠償義務が生じるとしている。
このほか、鬼丸かおる裁判官は判決には賛成しつつも、受信契約の内容はNHKの規約ではなく、「本来は、受信契約の内容を含めて法定されるのが望ましい」との補足意見をつけた。
最高裁判決は、以下のリンクから。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/281/087281_hanrei.pdf
大手企業勤めのカレからのプロポーズ、幸せの絶頂に寿退社【結婚直前に裏切ったカレ】Vol.1
「一緒に住むため寿退社して引越しまでしたのに…」。婚約者から結婚予定日の3日前に婚約破棄を言い渡された紗香さん(37)。仕事を辞めてしまった後の突然の心変わりが「許せない」という女性が、相手にけじめをつけさせるまでの事例を紹介します。
(弁護士ドットコムに寄せられた相談を元にしています)
仕事中、ねちっこい営業電話が大迷惑! 犯罪に問えない?
「いまならマンション経営がオススメです」「オススメの戸建てもご案内できますよ」。こうした営業電話が連日のようにかかってきて、うんざりしたことはありませんか。
東京都世田谷区の会社員男性(30代)のもとへは毎日2〜3回、日中にこうした営業電話が不動産業者からかかってきました。電話は、過去に物件を探していた時期に登録した業者から。
「もう間に合っていますので」と答えても、先方は電話をやめなかったため、「着信拒否」にしました。それでも別の番号を使って電話をしてくるしつこさ。男性は「ここまできたら悪質な嫌がらせ、何か犯罪にならないのか」と憤っています。
こうした業者の行為は法的に問題にはならないのでしょうか。坂野真一弁護士に聞きました。
キラキラネームの改名が難しくなるって本当? 戸籍への「読み仮名」明記、国が検討
いわゆる「キラキラネーム」の人にとって、気になるニュースが飛び込んできた。
上川陽子法務大臣は11月17日の記者会見で、戸籍に「氏名の読み仮名」を明記するかどうかについて、2020年度中に研究会を設置し検討を進めることを明らかにした。意外かもしれないが、これまで戸籍には読み仮名は記載されていなかった。
もし戸籍に氏名の読み仮名が記載されることになると、「輝星(べが)」「美音(りずむ)」などのキラキラネームをつけられた人が読み方を変えたいと思っても、変更が難しくなる可能性が出てきたのだ。
またも鳥取砂丘に落書き「SEBASTiAN」…「禁止条例」施行から10年、後絶たず
鳥取県の人気観光スポット「鳥取砂丘」(鳥取市)でこのほど、外国人の名前とみられるアルファベット文字と顔のような絵の落書きが見つかった。県の条例では、一定以上の大きさの落書きを禁止しているが、それでも後を絶たない状況にある。
またも豊島区議のツイート炎上「とあるサーバー管理人が追跡した」 中澤弁護士が検証
東京都・豊島区議会の沓沢(くつざわ)亮治議員のツイートが物議をかもしている。
沓沢議員は3月7日、ツイッター上で「とあるサーバー管理者さんからご連絡 安倍やめろ ツイデモ発信は東京一極だったが細かく追跡した結果、そのほとんどが次の3つのIPアドレスからだった」として、3つの組織名をあげた。
さらに、次の投稿で「この3つに何十人何百人の書き込み要員が常駐していると思えないので、全国の工作員がここをVTN(踏み台)にしている可能性がある」という意見も紹介しているのだ。
このような投稿に対して、ツイッター上では「(ツイッター社ではない)とあるサーバー管理者には知り得ないはずだ」という内容のツッコミがされている。また、2ちゃんねるの開設者・西村博之さんも「どういう手段で開示請求したのか?」と問いただしている。
インターネット上の投稿者を特定する「発信者情報開示」について詳しい中澤佑一弁護士に聞いた。
アリさん、明光義塾、セブンイレブン・・・「ブラック企業大賞」ノミネート6社発表
弁護士やジャーナリストなどでつくる「ブラック企業大賞」の実行委員会が10月27日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見を開き、ノミネート企業6社を発表した。今年ノミネートされたのは、セブン-イレブン・ジャパン、暁産業、エービーシー・マート、フジオフードシステム、明光ネットワークジャパン(明光義塾)、引越社関東(アリさんマークの引越社)。
実行委が挙げたノミネート理由の要約は、以下の通り。
セブン-イレブン・ジャパン・・・フランチャイズ加盟店主から過酷な搾取をおこない、そのしわ寄せが学生アルバイトに及び「ブラックアルバイト」が問題化している。
暁産業(消防自動車や消防用設備などの販売と保守点検をおこなう企業)・・・パワハラで未成年の労働者が自殺に追い込まれた。
エービーシー・マート・・・厚労省がブラック企業対策に乗り出して以来、初めての書類送検事案。労働者と合意した残業時間(79時間)以上の残業をさせていた。
フジオフードシステム(大阪や京都を中心に「まいどおおきに食堂」「串家物語」など飲食店を運営する会社)・・・労働局から是正指導を受けても繰り返し長時間労働や割増賃金の不払いを続けていた。
明光ネットワークジャパン(明光義塾)・・・賃金未払いが問題化。全国各地で労働局から是正勧告がでている。
引越社関東(アリさんマークの引越社)・・・元は営業職だった従業員をシュレッダー係に配転。さらに、突如として懲戒解雇した。その理由を「罪状」として、全国の店舗に掲示した。
この日の会見に出席した実行委員の佐々木亮弁護士は、今回のノミネート企業について、「『ブラックバイト』という言葉がメディアで取り上げられるようになった。セブンイレブン、明光ネットワークジャパンもブラックバイトにまつわるノミネートだ」と話した。
ブラック企業大賞の授賞式は11月29日に東京都内で開かれる。同委員会のウェブサイト(http://blackcorpaward.blogspot.jp/)には、詳細なノミネート理由が掲載された。また、10月27日午後8時ごろにはウェブ投票コーナーが設置される。
実行委員の内田聖子氏は「これまでノミネートした企業には、授賞式の案内状(返信ハガキ付き)を送ってきた。しかし、これまで1社も出席がなかった。返信があったのも2社だけだ」と話していた。
ブラック企業大賞は今年で4回目。昨年は12社がノミネートされて、「大賞」には従業員の過労自殺をめぐる訴訟が起きた「ヤマダ電機」が選ばれた。