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出張中ついでに観光、不倫…「半休」とって、どこまで羽を伸ばせるの?
家族の目が届かない出張中に、羽を伸ばしたい気持ちはわからないでもない。しかし、半休(時間休)をとって観光や不倫をすることに問題はないのだろうか。
2019年12月には、首相補佐官と厚生労働省大臣官房審議官との不倫疑いを「週刊文春」(12月19日号)が報じた。公用での出張中、午前に公用をすませ、午後は観光を楽しんだり、腕をからめて歩いたりしている様子も写真付きで掲載。
同誌の取材に対し、首相補佐官は「(女性は)午後は休暇を取っているから。僕は休暇ではなく、出張です。僕の場合は特別職なので、勤務時間がない」と答えていた。
このケースで当事者は公務員だったが、民間の会社員の場合、出張中でも半休をとれば、このような私的な行為も問題ないのだろうか。また怪我や病気になった場合、労災の対象となるのか。今西眞弁護士に聞いた。
「MONO消しゴム」にそっくり、小野市「ONO消しゴム」は本当にアウト?
「MONO」かと思ったら「ONO(小野)」ーー。兵庫県小野市観光協会がイベントでの販売用として、トンボ鉛筆に無許可で「MONO消しゴム」をもじった「ONO消しゴム」を2種類制作していたことが話題になっている。
神戸新聞NEXT(11月4日)によると、同協会から依頼を受けた業者は「トンボ鉛筆に許可をとった」と説明し、商品を納品。ところが、神戸新聞社がトンボ鉛筆に確認したところ、許可申請をしていなかったことが判明し、販売が中止になったという。
「MONO」と「ONO」を見比べると、三色ストライプという基本的な部分は一緒だが、ロゴのフォントやサイズ、ストライプの配色が微妙に違うことがわかる。
パロディーなのだから似ていることは明らかだが、法的にも「ONO消しゴム」はダメなのだろうか。実は今回のデザインの1つは商標権の侵害とまでは判断されない可能性があるという。冨宅恵弁護士に聞いた。
「夫の夢のため」妻が給料を内緒で「貯金」したら怒られた…法的に問題あるの?
「嫁が俺のために隠れて貯金してた」。妻が自分に内緒で貯金をしていたことに怒る投稿が、ネット上の掲示板で話題になった。
妻は「車の購入」や「店を開きたい」という夫の夢のために、夫の給料を毎月内緒で貯金していた。夫1人に管理させていたら、そんなお金はたまらないと考えたからだ。しかし、夫は、妻に感謝するどころか「その分お小遣いを増やしてほしかった」と、内緒で貯金していたことに怒りを感じているという。
投稿者に対しては、「いい嫁さんだ」「大切にしろ」などと妻を支持する声が圧倒的だったが、妻が夫に隠れて貯金をすることは法的に問題があるのだろうか。川見未華弁護士に聞いた。
NGT暴行事件、ファンとメンバー、運営との癒着疑惑に踏み込まず…調査報告書を分析
アイドルグループNGT48のメンバー山口真帆さんが暴行被害に遭った事件をめぐり、運営会社AKSは3月21日、第三者委員会の調査報告書を公表した(https://ngt48.jp/news/detail/100003226)。
報告書によると、ファンと私的に交流していたメンバーが12人にのぼることが明らかになったが、山口さんの事件については、他のメンバーの関与は認められなかったという。AKSは、私的交流について、「不問に致します」としている。
調査結果の公表を受けて、AKSによる記者会見も開かれたが、会見を見た山口さんは、「私は(AKSの)松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました」などとツイート。これに対し、松村氏が会見で、「メンバーなので、こういう事実、謝罪を強要することは一切ありません」と答え、これに山口さんが「なんで嘘ばかりつくんでしょうか」と批判する一幕があるなど、事態の収拾がつかなくなっている。
今回の報告書をどう評価すればいいのか。河西邦剛弁護士に聞いた。
松山千春さん「遅延機内」で熱唱して絶賛…著作権の観点から3つのポイントを分析
歌手の松山千春さんが8月20日昼、トラブルで遅延した札幌(新千歳)発大阪(伊丹)行き全日空1142便の機内で、自身の代表曲「大空と大地の中で」を歌った。乗客がイライラを募らせる中で、たまたま搭乗していた松山さんが機転を利かせたとして絶賛されている。
当時、同機は、保安検査場の混雑というトラブルのため、出発が約1時間遅れていた。松山さんが「機内が和むように歌いますよ」と申し出て、機長の許可をもらってマイクをつかって、「大空と大地の中で」を熱唱した。この様子をおさめた動画がYouTubeにアップロードされており、乗客からは拍手がおこっている。
一方で、音楽とはいえ著作物であることには変わりない。アップロードした乗客、松山千春さん、航空会社の三者について、著作権の観点から、どんな分析ができるのだろうか。著作権にくわしい齋藤理央弁護士に聞いた。
「今から思えば地獄だった」 "治療"と称して女子高生を支配した教師、恋愛を装った性搾取の実態
かつては問題視されなかった教員と生徒の恋愛や性的関係が、今は「犯罪」として捉えられるようになってきている。
刑法改正によって「性的同意」年齢の引き上げられ、「不同意性交等罪」が新たに規定されたほか、「グルーミング」という言葉が浸透したことが大きい。
学校内での盗撮や画像共有も相次いで発覚し、教職員による性犯罪が社会問題化したことも背景にある。
こうした変化の中、10年以上前に近畿地方の高校に通っていたAさん(当時18歳)は、社会科の教師B(当時20代後半)との関係を長く「恋愛」と信じていた。
しかし今では、それが「性被害」や「グルーミング」だったと認識し、教育委員会に被害を訴えている。(ライター・渋井哲也)
寝たきりの人でも働ける「分身ロボットカフェ」に見出す「出会いの未来」 OriHime開発者・吉藤氏
外に出られない人、障害のある人もない人も、外出困難であっても働ける場所。それが「分身ロボットカフェDAWN ver.β」(東京都中央区)。
「パイロット」と呼ばれる働き手は、分身ロボット「OriHime」を遠隔操作して接客する。多くの仲間たちとともに何度もの実験を重ねながら、この6月に待望の常設店がオープンした。
企業や自治体、イベント関連へも活躍の場を提供しながら「寝たきりでも働ける場所」の可能性を広げていく。OriHimeを開発したロボット研究者の吉藤オリィ氏に話を聞いた。(ライター・志治美世子)
会員制サイトやSNSで妻のヌード写真を発見…悩む夫たち「離婚の理由にできますか?」
「妻が会員制サイトでヌードになっていた」「妻のSNSで下着を脱いだ写真を見つけてしまった」。弁護士ドットコムには、妻の秘め事を見つけてしまった夫たちから、複数の相談が寄せられています。
自撮りではなく、第三者が撮影しているものばかりだといい、裸を見せている相手がいるということに精神的な苦痛を感じているといいます。離婚することの理由にできるのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。
ヤフオクに「1円即決」で出品された商品・・・「実は1万円以上」と言われたら?
ネットオークションに福袋が「1円即決」として出品されていたが、商品説明には「1円ではありません。14500円です」などと書かれている――。こんなややこしい出品が今年の正月に「ヤフオク!」で行われ、物議をかもした。
出品者は、初売りの福袋をヤフオク!に出品した際、「即決価格」を「1円」と設定していた。これはシステム上、1円の入札があれば、すぐに落札が決まるということだ。一方で、「商品説明」の欄には「1円ではありません。14500円です。お気を付けください」などと、別の値段を提示していた。
なぜ、こんな「二重表示」をしていたのか。ヤフオク!では、出品者が落札手数料として、落札額の5.40%を支払うルールがある。そこで、手数料の支払いを免れるために「1円即決」ということにしたかったのではないか、という指摘がネットであった。
このオークションはその後「落札者の都合」で削除されたが、もしこのような出品に対して「1円」で入札したら、どうなるのだろうか。システム的には1円で落札できるはずだが、実際に1円で商品を手に入れられるのか。ネット上の消費者トラブルにくわしい高木篤夫弁護士に聞いた。
検察、裁判所のミスで上限より長く「服役」…「補償」を求めることはできる?
福岡地検は4月26日、法律の上限を超える懲役を求刑し、そのことに裁判所も気付かず、上限より2か月長く服役させた例があったと発表した。
報道によると、検事総長が、有罪確定後に裁判などの法令違反が見つかった際、その是正を求める非常上告を最高裁に申し立てた。地検は元受刑者に謝罪し、「猛省し、今後はより厳密な確認作業を行って発生防止に努める」としている。元受刑者の性別、事件の内容は明らかにしていない。
この事件は、福岡地裁小倉支部が扱った事件で、上限は懲役1年なのに、検察官が誤って1年6か月を求刑。裁判所が2014年3月に、誤りに気付かないまま、懲役1年2か月の判決を言い渡し、確定していた。元受刑者が服役を終えた後、別の事件で起訴され、公判中に別の検察官がミスに気付いたという。
法律の上限を定める上限を超えた懲役に服させてしまったことは、法的にはどのような問題があるのか。元受刑者は、なんらかの補償を求めることなどはできるのか。刑事手続に詳しい大山滋郎弁護士に聞いた。